聖隷浜松病院NICU その5
【産科と、赤ちゃん出生直後のケアについて】
産科病棟では、正期産の赤ちゃんはすぐに母子同室か、新生児室にお預かりするかを妊娠中に前もって相談しておき、産後に再度疲労の程度を確認して決めるとのことです。実際は同室を選ぶお母さんが多いそうです。
帝王切開直後も同室は可能であり、ただしお母さんと赤ちゃんだけにならないようにしていることと、お母さんが眠くなったら赤ちゃんをお預かりするそうです。
妊娠中のクラスでは、母乳のメリットや赤ちゃんと一緒に過ごすことの大切さをお話されているそうで、大木先生は『うちのお母さんたちは「オキシトシン」のこと、みんな知っているんだよ』とおっしゃっていました。出生後まもない赤ちゃんの様々な原因による急変の可能性についても、お話しているそうです。お産や赤ちゃんについて、良いこともリスクも含めてよくよく知ってもらうことはとても大切ですね。
在胎36週未満の赤ちゃん、体重が2300gをきる赤ちゃんはGCU入院となりますが、低血糖がないことを確認できれば翌日には母子同室ができます。一般的な黄疸の治療はベッド型の光線療法機器を用い、産科病棟で行っているそうです。
NICUに赤ちゃんが入院となった場合には、大部屋を希望されていた褥婦さんでも、赤ちゃんが入院になったお母さん同士のお部屋にできるよう配慮されているそうです。
またこちらでは、帝王切開のお母さんと赤ちゃんも手術室での早期接触を行っておられます。
これもバースプランをたてる段階でよく説明をした上で実施され、正期産の場合ほぼ100%(!)の実施率だそうです。
お母さんの麻酔を担当する麻酔科医師も、「赤ちゃんとお母さんにとって良いことならばやりましょう」と
すぐに言って下さったそうです。手術室のスタッフの協力もすんなりと得られたそうで、これはとても素敵なことと思いました。
オキシトシン
母乳の分泌に深く関わるホルモンの一つ。
加えて、最近では愛情や信頼の形成に関わる、
不安や恐怖を減らし幸福感を増やす など心の面での働きが注目されています。