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こんにちは。日本でやりやすい・日本ならではのファミリーセンタードケアについて毎日頭をひねる、こどもかぞくまんなかです。

 

“ウチのFCC”(ファミリーセンタードケア)は、国内のNICUで行われているケアを教わり、それに込められた思いや工夫をお聞きする

コーナーです。これからのヒントを得るべく、おじゃまして参りました。

施設のリーダーへも臆せずアタック!

2013年11月8日私達は北海道、新潟、神奈川、九州の各地から青森県青森市に集まりました。

青森県立中央病院(以下、青森県中)NICUへおじゃましたのです。

スタッフの方の思いのつまったNICUを、5時間半ほどかけて見学させて頂き、

たくさんのお話をお聞きしました。

 

 

【見学のいきさつ】

 

青森県中NICUのリーダーは新生児科の網塚貴介先生。こどもかぞくまんなかへも、いつも応援下さる先輩です。

網塚先生は2013年、医学雑誌「周産期医学」9月号に、「Late preterm児は母子同室で管理したほうがよい」

という文章を書かれています。

 

   ※補足: Late preterm児はちょっと早く生まれた赤ちゃんのことで、だいたい

    34~36週生まれの赤ちゃんを示します。

    比較的医療が少なく過ごせる一方、しばらく眠りがちだったりする赤ちゃんも多く、

    授乳などのお世話にきめ細やかさ・オーダーメイド式がいります。

    母子同室をする、赤ちゃんのみNICUで過ごす、と診療の仕方が施設によって

    大きく異なる面もあります。

 

青森県中では、Late pretermの赤ちゃんもなるべく母児分離せず、できる限り早期退院を目指しており、

33-35週生まれの赤ちゃんの約6割がお母さんと同時に退院(平均日齢9に退院)。

そして再入院がほぼないのだそうです。 

なぜそんなに早く、うまく帰れるのか?! 

そのための鍵と思われる、「直母外出」(青森県中での用語です)という、NICU入院中の期間に直接授乳の機会を

できるだけ多くするシステムがあるそうです。

その実態にせまりたいと意気込む私達。

網塚先生はじめとする皆さんのご協力により、見学させて頂けることになりました。

 

 

見学前にFacebookでお知らせしたところ、こんな見てきて・聞いてきて も お寄せ頂きました。

 

   「Late preterm児の早期母子同室を経過して、早期退院までつなげていると

   うかがっています。うちではなかなか真似できないのですが、そのコツと実際に

   親御さんの思いが知りたいところです。

   逆に、困ったことなんかも知りたいですね。よろしくお願いします。」

 

      「男性医師や若い医師の方も、ファミリーセンタードケアや母乳育児支援を含めた診療を

   考えておられる印象があります。

   後輩医師にどのように教育をされたり、思いを伝えておられますか」

 

 

見学楽しみですねー。ではその前に青森県中NICUの概要をお伝えします。

 

 

【青森県立中央病院NICUの概要】

ベッド数: NICU12床、GCU12床

入院数: 年間約120人、うち超低出生体重児は40-50人

スタッフ:

  医師5名

  看護師44名

  臨床心理士1名(専属)

面会時間:

  24時間ではない

  NICU 11時~21時、GCU 10時半~21時

NICU入院基準:

  在胎35週未満、出生時体重1800g未満

  (在胎35週以上で体重1800g以上の赤ちゃんは、他に問題がなければ産科で母子同室)

 

この入院基準からも分かりますが、母子分離をなるべく避けるやり方を考えておられます。

またNICUの日々の診療場面で、家族へのケア、母乳育児支援も重要な話題として扱っているとのことでした。

 

それではいよいよ、おじゃまをします…

網塚先生を囲んで

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