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学会などでの活動

 

 

多くの方のご理解・応援により、周産期関連の全国学会の場所で

活動の機会を頂いています

 

下は2013/11/30-12/2金沢市で行われた

第58回日本未熟児新生児学会、第23回日本新生児看護学会学術集会での

ブース展示・ランチョンセミナーです

  その他の学会等での活動については、こちらの一覧 をご覧ください

ブース、できた~!!

メールでのやりとり等で準備をしてきたので、メンバーに会えて、準備してきた物が形になるのはとてもうれしいです。

今回の学会全体のテーマは

「『恕』(思いやりの心)

 ― 赤ちゃんにやさしい医療・ケアを考える ―」

でした。

こどもかぞくまんなかも、とても共感する内容です。

ちなみに漢字は“じょ”と読みます

(怒り、ではないです…)

会頭の久保 実先生

(石川県立中央病院・

 いしかわ総合母子医療センター)

 学会ホームページからお写真お借りしました

スウェーデン ウプサラ大学NICUのケアを紹介する写真パネルを中心に、ウーベ先生のお話されるDVD、カンガルーウェアを展示しました。ウェアは試着もできます。

ウプサラ大学NICUの写真パネルは準備した私たちも、はっとしたり、温かい気持ちになります。じっくり眺めていかれる方もたくさんおられました。特に、お兄ちゃんが赤ちゃんをカンガルーケアしている写真に“わぁーっ”と言う声があがっていました。

 

写真を前にしながらケアやNICUのあり方について、お仲間同士で会話したり、メンバーに思いを伝えてこられる方もありました。こういう機会はいいなあと思いましたし、メンバーも考えを深めるきっかけを頂きました。

 

カンガルーウェアを試着されたみなさん。

とても穏やかで、優しい表情をされています。そしてなんだかちょっと誇らしげ?

 

こうしていると、お人形と分かっていてもかわいく愛しく思えてくるのが不思議です。カンガルーケアやぎゅーっと抱っこすることには、人間がもともと持つ親になる力を引き出す効果があるのかもしれません。

 

カンガルーケアを長い時間行うのに、ウェアは役立ってくれます。

学会最終日にランチョンセミナーの時間を頂きました。

前半部分は、こどもかぞくまんなかのメンバー二人がウプサラ大学NICUの見学について報告をしました。

ランチョンセミナー後半は “つながるアイデアマッチング” というタイトルにしました。

地域ごとに座って頂き、施設名を書いた画用紙を掲げて質問に答えて頂く形式です。

質問はカンガルーケアや面会時間について設定しました。例えば「カンガルーケアを時間の制限なく行っている施設はありますか?」などです。

 

上がる画用紙の多い少ないや、該当施設の多い地域を視覚的に感じ取って頂くこと、「あの施設が〇〇している」「近くだから相談や見学ができるかも」といったつながりが生まれることを目指しました。

アイデアマッチングでのやりとりをご紹介します。

 

<面会時間について>

 

面会時間に一定の制限をもうけている施設が多かったですが、

「24時間面会を行っている施設はありますか?」という質問に複数の施設が画用紙をあげておられました。

 

中でも私たちが注目したのは、回診やカンファレンスの時間にも面会制限をしていないという施設があったことです。

大阪の施設の先生から「回診の時間は病状などについて家族と考えを共有するために、家族にいてもらうことはむしろ貴重な機会だと考えている」とのコメントをいただきました。(施設名を正確に記録できておらずすみません)

家族が、赤ちゃんを治療・ケアするチームの大事な一員としていられる、すてきなアイデアですね。

 

 

<カンガルーケアについて>

 

①  時間の長さについて

一定の制限を設けている施設が多かったですが、

カンガルーケアを時間制限なしで行っている施設もあることがわかりました。どのくらいの時間するか、家族と相談して決めているのだそうです。

 

②  どのような呼吸管理の赤ちゃんで行っているかについて

経鼻酸素を付けている赤ちゃんでは、地域差なく大半の施設がカンガルーを行っているようでした。

nDPAPを付けている赤ちゃんで行っている施設は、経鼻酸素よりも少し数が減りました。

挿管管理下でもカンガルーケアを行っている施設は、旭川医科大学病院、苫小牧市立病院、神奈川県立こども医療センター、磐城共立病院、名古屋第二赤十字病院、その他西側の施設でも画用紙があがっていました

 

挿管中のカンガルーケアで気をつけていることをうかがってみると

「カンガルーケアの最中は赤ちゃんが落ち着いているので計画外抜管はない。家族が寝入って赤ちゃんの姿勢がずれてしまったことがあり、ずれないように工夫している」と答えて下さいました。

 

③ どのくらいの週数の赤ちゃんで行っているか

修正27週未満の赤ちゃんでカンガルーケアを行っている施設は神奈川県立こども医療センターでした。「終末期の(お別れの時期が近い)赤ちゃんに限って」というコメントでした。

※後日、大阪府立母子保健総合医療センターから、より週数の若い赤ちゃんへのカンガルーケアについて情報がありました。それについては後日ご紹介します。

 

④  保育器からの家族の胸への移動について

家族が抱き上げる移動方式を行っているのは、神奈川県立こども医療センターと日本大学医学部附属板橋病院でした。板橋病院のスタッフの方に具体的な方法を伺いました。

保育器内で赤ちゃんをあおむけにするところまでを看護師が行い、保育器の窓を看護師が開け、そこから家族が赤ちゃんをカンガルーポジションになるよう胸に抱き、そのままカンガルー椅子に寝るそうです。移動時の赤ちゃんのストレスサインはこの方法にしてから減った印象があるそうです。さまざまな思いを持つ家族がいるので、状況を把握した上で希望を聞きながら行っているそうです。

 

カンガルーケアを安全に・しかも赤ちゃんの役に立つやり方でたくさん行いたい。考え方や工夫を生の声で聞くことができ、とても貴重な時間になりました。

~ ランチョンセミナーに来られた方のアンケートから ~

 

<やってみたいこと>

・  入院後の初回面会でできるだけ赤ちゃんに触れてもらうようにする

・  家族のケア参加

・  時間制限のない面会、カンガルーマザーケア

・  カンガルーマザーケアの適応拡大

・  カンファレンスに家族を含める

・  きょうだいの面会

 

<やりはじめていること>

・  面会時間の見直しを現在行っています

・  おじいちゃんおばあちゃん面会を取り入れました

・  申し送りと検査時間以外を面会可能にしました

・  夜の面会を可能にしました

 

<変えたいこと>

・  医療中心でなく、赤ちゃんや家族中心のケアにできるような体制を整えたい

・  家族がこどものそばにいるのが当たり前になるように、家族やスタッフの意識を変えたい

 

<感じたこと>

・  できることからはじめたい

・  施設間の取り組みに差があることがわかった

・  他の施設の現状をきけて身近に感じられた

座長の森 臨太郎先生と。

アイデアマッチングは過去にない企画でもあり、ばたばたとした私たちでしたが、サポート下さり、形にすることができたと思います。

ファミリーセンタードケアは「やらない理由はない」。力強い明確なメッセージも下さいました。

こんなNICUいいな

 

ブースに寄せられた

みなさんからのメッセージを

ご紹介します

いつでも、あたりまえに

母乳をあげられる状況に

したい。

お父さんも恥ずかしがらずに

カンガルーケアができる

環境にしたい。

きょうだいも

一緒にいられたらいいな。

落ち着いていたら

家族が注入を…

挿管している赤ちゃんの

カンガルーケアが

できたらいいな。

家族ができることを

増やしたい。

家族が主体的にケアをする

文化を作ろう!

24時間カンガルーケアができるNICUをめざしたい。

実家みたいなNICU

お父さんが仕事にでかけて

そこに帰ってくるようなNICU

家族一緒の時間を長く

自由に

それが当たり前になるように

NICUと

家庭・社会がつながるように

こどもと家族とスタッフに優しい

居心地のいいNICU

NICUがもっとアットホームに

オープンな環境に

なりますように

現在の施設で

できる限りのことをしたい。

もっとたくさんのことができると

再認識した。

目指すものをハードルなく

話し合いたい。

家族と一緒に考えてケアを行うと

赤ちゃんは安心できるし

家族にもスタッフにも

笑顔が広がる。

笑顔をもっとふやしていける

NICUにしたい。

たくさんのメッセージ

ありがとうございました。

(すべてのメッセージを

ご紹介できずごめんなさい)

 

思いを持った仲間は

全国にいます。

 

 

 

こどもかぞくまんなか のまとめ

 

ウプサラ大学NICUの様子は、すっと心に入ってきて、大切なことを考えさせられる力があります。今回、写真パネルやDVDで多くの方にご紹介できました。貴重な見学の機会を頂いた私たちですので、これからもさらに多くの方にお伝えできるように、と考えます。

カンガルーウェアの試着では、赤ちゃん(お人形)が密着する様子、そこから起こる様々な感覚や感情を体験して頂くことができました。体験された方々の穏やかな表情やしぐさから、「こどもと家族が一緒にいること」の力を改めて学びました。

 

心が自然に動いたり、ほっとする気持ちや愛着を体感できる企画を今後も考えていきたいと思います。「ファミリーセンタードケアはいいなあ」と思える方が増えるように…。

また、このケアを広く受けとめてもらえるために

・こどもの健康や発達の面からみた、ファミリーセンタードケアの利点について

 科学的に考えること
・より安心して積極的にすすめるため、世の中のルールの確認・整理

にも一歩一歩取り組んでいこうと考えています。

 

ファミリーセンタードケアをすすめたいと思う方々が、思いを語ったり、仲間がいると思える機会はとても大切だと思います。ウプサラ大学NICU元教授のウーベ先生さえも、かつては「そんなことするなんてクレイジー」と言われておられたそうですから…。

こどもかぞくまんなかが、つながりのきっかけになれたら幸いです。

私たちの活動や企画について、ご意見やご感想いつでもお待ちしています。

 

 

 

♪ Special Thanks to… ♪

 

ブース・ランチョンセミナーの機会を下さいました

 久保 実先生(石川県立中央病院・いしかわ総合母子医療センター
 

すてきなカンガルーウェアをお貸し下さいました

 奥起久子先生(亀田総合病院)
 永井周子先生(結核予防会結核研究所)

 

ランチョンセミナーの座長をして下さいました
 森 臨太郎先生(国立成育医療研究センター)

 

ランチョンセミナーの進行をお手伝い下さいました
 重富浩子先生(岩見沢市立総合病院)
 松尾康司先生(倉敷中央病院)

 

ブースの設営をお手伝い下さいました
 和田雅樹先生(新潟大学)
 山口直人先生(心身障害児総合医療療育センター)

 

ウプサラ大学NICU紹介DVDをお貸し下さいました

 ドレーゲルジャパン

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