いわき市立磐城共立病院NICU その7
見学後に、こどもかぞくまんなか隊長 中川がウプサラ大NICU見学の報告をする時間をいただきました。
お忙しい中、多くのスタッフの方が参加して下さいました。
【こどもかぞくまんなか の まとめ】
磐城共立病院NICUでは、急性期から「いつでも会えるNICU」を実践し、赤ちゃんにとって家族が必要な存在であることをスタッフが言葉や行動で伝え続けていました。
退院が決まってはじめて同室というのではなく、入院時から見通しを伝え、家族の役割を伝え、家族の参加を徐々に促すということが自然の流れとして行われていました。
その流れの中では、スタッフと家族、赤ちゃんが細やかに心を通わせ合っていることがとても重要だと感じました。リーダーとスタッフ、スタッフ同士も、大切にしたい事について心を通わせ合っているNICUでした。
このような所は、こじんまりしたNICUの規模を生かしておられるように思います。ただ、大きなNICUでも近くにいる人同士からつながっていくことはできるかもしれません。
超急性期にこどもの近くにいる目的 ~ 同室へ と、複数の目的に使用できる部屋は、特別な設備でなかったことが印象的でした。そこでは赤ちゃんと家族がそれぞれに、その家族なりの空間や時間を作っているように思いました。
家族への“いつでも近くにいることができますよ”という思いがあれば、今ある設備でもファミリーセンタードケアができる、と示されているように思います。また、ファミリーセンタードの温かい雰囲気作りでは、赤ちゃんや家族が力を貸してくれる、もっと言えば、主役になることができる と感じました。
『とにかく、一緒にいることが大事』とおっしゃる本田先生の言葉に、ウーベ先生(ウプサラ大学NICU元教授)の力強さとつながるものを感じました。そして、NICUで力を尽くしながら、こどもの“その後”や、そのこども達が形成する“世の中”を見通すことにも心から共感した私達でした。
費用や設備がなくてもできることはたくさんある、と思った訪問でした。
磐城共立病院NICUのみなさん本当にありがとうございました!
次回はどんな発見が待っているのか、本当に楽しみです☆
どこに出没するのか・・・ お楽しみに〜!
斉藤朋子
「ファミリールームに来てから、この子は周りを気にせず甘えるようになったんです」。
ご家族からこんな言葉を聞きました。一緒にリラックスして過ごせる環境は、家族が我が子のことがよくわかるようになり、さらに赤ちゃん自身にも大きな変化をもたらすんだなと感じました。
NICUを卒業し、新たなスタートを安心して迎えられるように、入院中から「家族」になれる時間を大切にしていきたいですね。
齋藤香織
「赤ちゃんは家族と一緒に居たい、赤ちゃんはちゃんと
わかっている」家族も、スタッフもみんながそう考えて
おられました。
家族と赤ちゃんが一緒にいることは、きっと赤ちゃんの
成長する力を引き出すのだなぁと改めて感じました。
磐城共立病院NICUが大部屋を活用して家族の空間を
作られていたように、それぞれの施設でも何か強みを
見つけて、できる工夫を考えてけたらいいなと思いました。
中川ふみ
同室が注目ポイントの見学でしたが、そこに至るまでのNICU・GCUでのケアもやはり素敵でした。
赤ちゃんもお父さんお母さんもリラックスできていて、それがまた次の力へとつながっているようでした。
「こういうケアを他の方にも伝えてあげてほしいので」と穏やかにインタビューに協力くださって、本当にありがたく思いました。
野口聡子
普通の大部屋ベッドにカーテンの仕切り、でもそこには優しい空間がありました。
保育器もなるべく早く開放型にするよう心がけているそうです。家族が手を伸ばしやすいように、赤ちゃんを近くに感じてもらえるように…。
家族からの「赤ちゃんは分かっているみたいで、甘えてくれるようになった」という言葉を本田先生にお伝えした時、
「やっぱりそうなんだ!」と嬉しそうなお顔をされたことが
とても印象に残っています。
「ウプサラでは育児へのお父さんの関わりが多いのはなぜか」という質問がありました。
質問された方によると、日頃お父さんが恥ずかしがるような場面もあるそうです。
スウェーデンの育児参加の平等をバックアップする社会の仕組みはいいなあと思います。でも、仕事後に夜でも赤ちゃんに会いに行きやすいNICUの雰囲気、ちょっとした声かけ、周りで他のお父さんがやっている風景…などなど、まずは効果があるかもしれないですね。
こうした部分は、特に日本ならではの工夫が必要な部分だと思いました。