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2013年8月5~6日 私たちはスウェーデンにある、ウプサラ大学NICUへ見学にうかがいました。

ファミリーセンタードケアの大先輩、メッカとして知られるウプサラ大学NICU。 

スタッフの皆さん、赤ちゃんと家族が、どきどきの私たちをあたたかく迎えて下さいました。

できることをしたいなあという思いをいっそう強くし戻ってきた私たちが、日本で応援下さった方々へレポートをお届けします!

1.見学のはじまり と ウプサラ大学NICUってこんなところ

 

【見学のいきさつ】

2012年11月のインドの学会で二人の先輩が間に立ってくださり、ウプサラ大学病院NICUの方々と初めてお会いしました。

先輩のお名前は、奥起久子先生(亀田メディカルセンター)、森臨太郎先生(国立成育医療センター)です。

メーリングリストでの呼びかけを元に、全国から集まった私たちは、看護師、助産師、小児科医によるチームです。

それぞれがファミリーセンタードケアについての思いを持っています。

 

ファミリーセンタードケアについてはこちら

NICUってこんなところ

NICUとは、neonatal intensive care unitの略で、「新生児集中治療室」といいます。

病気で生まれた赤ちゃんや、小さく早く生まれた赤ちゃんなど、何かしらのサポートが必要な赤ちゃんが治療をうける入院病棟です。

看護師、医師たちが24時間体制で治療やケアを担当しています。

 

 

日本のNICU、世界のNICU

1つの大きな部屋にたくさんの赤ちゃんが並ぶ、そして家族は面会という形で訪れる、というのが長らく先進国のNICUでした。

現在もそのスタイルが多いのですが、少しずつ、家族がこどもと一緒に過ごし、お世話の中心となるやり方が注目され始めています。その手段の一つとして個室・半個室を使うNICUも一部あります。

スウェーデンのウプサラ大学NICUは、こどもと家族を中心にしたやり方で高度医療が続けられている、大先輩の施設です。

【見学前にしたこと】

 

以下のような準備をしました。

・ 自分たちが働いている施設(6施設)の現在のケアのまとめ

・ 周囲の同僚へのアンケート

・ 見学で見聞きしてきてほしいことの募集

・ ファミリーセンタードケア、こどもの人権等について勉強、意見交換

・ スウェーデンの医療福祉システムについて勉強

 

準備をしながら思ったことは、こどもと家族が一緒にいることへまだ多くの制限があるということ、

でも変えていきたいと思っている人もたくさんおられるということでした。

NICUの現役・先輩 お父さんお母さんからも関心が寄せられました。

 

アンケート結果はこちら(PDFが開きます)

 

みなさんからの見聞きしてほしいこと と それへのお答え は こちら

 

 

 

【見学前の私達の思い】

 

・ 施設や設備はもちろんだが、そこに流れる空気やポリシーを感じたい

・ 費用や改築が無くてもできることを見つけたい

・ 管理職でなくても、広げられる方法を知りたい (私達わりと若手なんです)

・ 日本にあった、日本で始められることを考えたい

 

こんなふうに思いました。

 

 

 

【ウプサラ大学NICUの概要】

 

ベッドの数

  集中治療用ベッド      10-12床 (半個室)

  ファミリールーム        9床     (完全個室)

 

分娩数             2000件/年 (ウプサラ県全体の分娩の半分を担う)

NICU入院      650人/年

院外出生         10% (他の病院等で生まれて、その後ウプサラ大学NICUに入院する赤ちゃん)

                     ヘリコプターでの搬送もあります

 

小児外科、小児循環器外科あり

手術件数 50-60件/年 (網膜症の治療含む)

 

スタッフの数

 新生児科医   10人

 看護師      120人

   看護師の半数はアシスタントナースという資格です。

 その他 事務職員等

 

 

 

【超低出生体重児の診療】

 

※そのNICUの規模や特徴について話すときに参考となるのが、とても小さな赤ちゃんをどのように

  診療しているかという情報です。

 

在胎27週未満の入院         45人/年

 

生存率

 在胎22週の赤ちゃん  50%

 在胎23週の赤ちゃん  70%

 在胎25週の赤ちゃん  90%

 

脳室内出血の発生率(Ⅱ度以上) 5%

 

日本のNICUと近い状況のようです。

では、ウプサラ大NICUのケアをご紹介します

→ 2.赤ちゃんとの出会いのはじまりと、入院

アシスタントナース

スウェーデンの場合、看護師は3年間、アシスタントナースは1年間の教育で資格をとることができます。看護師とアシスタントナースには役割や責務に違いがあり、お互いが助け合いながらケアを提供しています。

 

 

超低出生体重児の赤ちゃん

生まれたときの体重が1000グラムに満たない赤ちゃんを超低出生体重児と呼びます。また、さまざまな理由で在胎28週未満で(通常より3ヶ月ほど早く)生まれた赤ちゃんを、体重に関わらず超早産児と呼びます。このような赤ちゃんは生きていくのに必要な体の機能が未熟であり、様々な医療を必要とします。

 

NICUで赤ちゃんが受ける医療

保育器、呼吸器、点滴、モニター、胃チューブなど。赤ちゃんの状態に応じて選んだり、追加をします。

 

脳室内出血

超低出生体重児が亡くなったり、後遺症をもつ原因の1つが脳室内出血です。脳室は脳内にあるお部屋です。超低出生体重児はこのお部屋の周りにもろく細い血管があり、生後しばらくの間、出血をおこしやすいといわれています。

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